PRACTICE GUIDE

場面別の実践ガイド

いま迷っている場面を選び、まずできることから確認してください。

持ち帰れること:支援の入口、同行、地域・機関連携、CWとの共有、記録の一手。

2026年11月更新|実践者の考察です。実践の背景と制度の出典を見る

01 / 訪問の入口をつくりたい

支援の介入

子どもの安否を確かめるためにも、訪問が続く関係を。子育て支援として関わることが、受け入れの入口になります。

持ち帰れること 訪問の入口を、家庭の視点から考え直せる。

まずできる3つのこと

  • 訪問の目的と、今回家庭と一緒にできることを分けて整理する。
  • 保護者だけでなく、子ども自身の様子や言葉を確かめる。
  • 次も話せる関係を意識し、気になることはチームへ渡す。
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安否確認を支える、日々の関係

支援対象児童等見守り強化事業の家庭訪問で担うのは、子どもの安否や暮らしの様子を確かめ、必要な支援へつなぐことです。その役割を果たす土台に、家庭との関係があります。

確認したいことだけを先に並べると、訪問が「評価される時間」になってしまうことがあります。子育ての困りごとを一緒に受け止める立場から、関わりを始めます。

質問の前に、一緒にできることを

「困っていることはありませんか」と聞かれても、すぐに言葉にできるとは限りません。「一緒にやってみましょうか」と、暮らしの中に小さな接点をつくる。相談は、その積み重ねから生まれることもあります。

支援の目的や役割は誠実に伝えながら、支援者の知りたいことだけで会話を埋めない。保護者の話と同時に、子ども自身の表情や言葉にも目を向けます。

玄関先にも、支援はある

家の中へ入れることだけが、関係づくりの成果ではありません。玄関先で交わす短い言葉や、前回との小さな違いも、大切な手がかりです。

家庭のペースを尊重し、無理に距離を縮めない。一方で、安否を確認できない状況や気になる変化は抱え込まず、担当CWと共有して対応を考えます。

次の訪問への問い この訪問は、家庭にとってどんな助けになるだろう?

02 / 一人で動けないを支えたい

同行支援

場所を教えるだけでは届かないことがあります。世帯の「できない」を否定せず、必要な場面で一緒に出向く支援へ。

持ち帰れること 案内から同行へ進む理由と、支援の引き方を考えられる。

まずできる3つのこと

  • 一人で動きにくい理由を、本人の言葉から確認する。
  • 同行先で伝えたいことと、支援員が補う範囲を相談する。
  • 次回はどこまで自分でできそうかを、一緒にふり返る。
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行かない理由を、決めつけない

窓口や地域の居場所を案内しても、利用につながらないことがあります。それを意欲の問題として片づけず、初めての場所への不安、手順のわかりにくさ、家族との調整など、動き出しにくさの背景を一緒に考えます。

「一人で行ってください」の前に、「どこが難しそうですか」「一緒に行くとどうでしょうか」。同行は、その最初の一歩を支える方法です。

本人の声が届く同行にする

同行するときも、支援員がすべてを説明して終わらせないことが大切です。本人が話したいことを事前に確認し、言葉が出にくい場面で補いながら、本人と相談先との関係を育てます。

終わったあとには、何が安心できたか、次に困りそうなことは何かを一緒にふり返ります。訪問先へ到着できたことだけでなく、相談できた経験を大切にします。

ずっと付き添うことを、前提にしない

最初は一緒に。次は事前の準備だけ。その次はあとから話を聞く。本人の状況を見ながら、支援者の立ち位置を少しずつ変えていきます。

一律に手を引くのではなく、本人が利用先とつながれているかを確認する。その判断を、本人・CW・関係者とすり合わせることが大切です。

次の訪問への問い その「できない」の手前には、どんな不安があるだろう?

03 / 相談できる先を増やしたい

社会資源との接続

子ども食堂や子育てサロンなど、人と出会える場所へ。紹介の先にある「相談できる関係」を、地域の中につくります。

持ち帰れること 「つないだ」と「つながった」の違いに気づける。

まずできる3つのこと

  • 家庭が相談できる人・場所を、本人と一緒に挙げる。
  • 初回利用の不安と、必要な同行・事前調整を確認する。
  • 利用後の感想を聞き、つながりが続いているかを確かめる。
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紹介することは、入口

パンフレットを渡したり、場所を伝えたりすることは、接続の始まりです。実際に行けたか、居心地はどうだったか、困ったときに声をかけられる人がいるか。その先まで見届けます。

子ども食堂や子育てサロンは、家庭が地域の人と出会う接点になり得ます。家庭の希望と、その場所で受け入れられる内容を確かめながらつなぎます。

支援員一人に、安心を集めすぎない

信頼されることは大切です。同時に、「この人にしか話せない」という状態が続いていないかにも目を向けます。依存を責めるのではなく、頼れる先を増やすという発想です。

支援員が不在のときにも相談できる人、日常の小さな変化に気づいてくれる人。地域の中に複数の接点があることで、家庭を見守る目と手が広がります。

家庭に合ったつながりを選ぶ

社会資源につなぐこと自体を目標にしない。本人や子どもが望んでいるか、無理なく通えるか、安心して過ごせるかを確認します。

利用が続かなかったときも、失敗と決めつけずに理由を聞く。別の場所や関わり方を一緒に探せることも、支援の一部です。

次の訪問への問い 紹介した場所は、その家庭にとって頼れる場所になっている?

04 / 機関の役割をそろえたい

機関連携

行政、保育所、学校、病院、児童発達支援施設。必要に応じて児童相談所や警察とも、役割を確かめながら連携します。

持ち帰れること 連携先の数より、役割と次の行動を整理できる。

まずできる3つのこと

  • 家庭・園や学校・医療など、各機関の見えている範囲を整理する。
  • 次に動く担当者と、確認する時期をそろえる。
  • 日常の共有経路と、安全に関わるときの連絡経路を確かめる。
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家庭訪問でしか見えないことを渡す

学校での姿、医療機関での姿、家庭での姿。それぞれの機関が見ている子どもや保護者の一面は異なります。家庭訪問で見えた日常の様子を持ち寄ることで、支援を考える材料が増えます。

一つの場面だけで家庭全体を判断せず、情報が異なる場合は、その違いも確かめる手がかりとして扱います。

「共有しました」の、その先へ

会議で情報を伝えただけでは、次の支援が曖昧になることがあります。何を確認したいのか、誰が対応するのか、いつふり返るのかまで具体化します。

保育所、学校、病院、児童発達支援施設、行政CWなど、それぞれの役割と家庭との関係を尊重します。支援員がすべてを抱えず、必要な専門性へつなぐことが大切です。

安全の対応と、日常の連携

子どもの安全に関わる状況では、通常の報告の順番を待たず、所属先の対応手順に沿って担当者や関係機関と連携します。状況に応じて、児童相談所や警察との連携も必要になります。

共有する目的と相手を確認し、個人情報を扱う所属先・自治体のルールを守る。日頃から連絡先や役割を確かめておくことが、必要なときに動くための準備になります。

次の訪問への問い いま、誰が何を見ていて、次に誰が動くのだろう?

05 / CWに変化を伝えたい

CWとの連携方法

悪い情報だけでは、家庭の姿は伝わりません。行政ケースワーカー(CW)へ、小さな変化と家庭のよい面も届けます。

持ち帰れること 問題報告だけに偏らない、日々の共有の視点を得られる。

まずできる3つのこと

  • 今回の訪問で確認する観点を、CWと事前にそろえる。
  • 気になる変化に加え、よい変化や家庭の強みも一つ伝える。
  • 見た事実・聞いた話・自分の見立てを区別する。
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普段の様子が、判断の土台になる

大きな出来事があったときだけ連絡すると、それまでの変化が伝わりにくくなります。日頃の小さな報告が、CWが家庭の状況を理解する土台になります。

心配な出来事と同じように、子どもの様子が穏やかだったこと、本人から相談があったこと、地域との接点が増えたことも共有します。

訪問の前と後を、ひとつの流れに

訪問前には、直近の動きや今回確かめたいことをCWとすり合わせます。訪問後は、その観点に対して見えたこと・確認できなかったことを返します。

「何もありませんでした」で終わらせず、何を見てそう判断したのかを添える。訪問の積み重ねが、支援方針につながる情報になります。

事実と見立てを、分けて伝える

自分が見たこと、本人が話したこと、支援員が考えたことは、同じではありません。それぞれを区別すると、受け取る側も情報を検討しやすくなります。

緊急性のあることは、報告書が完成するまで待たない。まず必要な一報を入れ、その後に記録を整えるという優先順位を、チームで共有しておきます。

次の訪問への問い この報告から、家庭のできていることも見えるだろう?

06 / 伝わる記録を書きたい

報告書とは

誰が、いつ読んでも、そのときの世帯の状況が描けること。求めるのは、精度と簡潔さを両立した報告です。

持ち帰れること 印象だけの記録を、次の支援につながる記録へ整えられる。

まずできる3つのこと

  • 「元気」「問題なし」などの印象語に、観察した事実を添える。
  • 事実・発言・見立て・次の行動を分ける。
  • その場にいない同僚にも伝わるか、読み直す。
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長さより、場面が伝わること

報告書は、たくさん書くことが目的ではありません。訪問に同行していない人が、その家庭の状況を頭の中で描き、次の支援を考えられることが大切です。

「元気そうだった」「問題なし」といった印象だけで終えず、どんな表情・言葉・行動を見てそう考えたのかを、必要な範囲で具体的に書きます。

四つに分けると、伝わりやすくなる

記録を整理するときは、①見聞きした事実、②本人の言葉、③支援員の見立て、④次に確認・対応すること、という四つの視点が使えます。

見立ては事実と混ぜず、そう考えた根拠を添えます。確認できていないことは、確認できていないと残す。その区別が、後から記録を読む人の判断を支えます。

  • 事実:いつ、どこで、誰に、何が見られたか。
  • 本人の言葉:子ども・保護者が、何を話したか。
  • 見立て:どの事実から、何を気にしているか。
  • 次の行動:誰が、何を、いつ確認するか。

記録は、支援を手渡すためにある

担当が代わっても、家庭の状況と関わりの経緯が伝わる。そのために、前回との違い、家庭のよい面、未確認のことを簡潔に残します。

必要な情報を、必要な人へ、安全な方法で。個人情報の扱いは所属先のルールに従い、個人のSNSや私的なサービスへ支援記録を転記しないことも、記録の大切な前提です。

次の訪問への問い その場にいなかった人にも、様子と次の課題が伝わる?